ポッドキャスト番組のコンセプト・目的・ターゲット整理の大切さ
今話題のポッドキャストで番組を始めたいけれど、どこからどう始めて良いかわからない!という人も多いはず。番組内容を決める前にまず考えたいのが番組の目的とアプローチ…
目次
ポッドキャストを配信するにはどこから始めたらいいの?そんなあなたの疑問に答える、ポッドキャスト配信のいろはをステップごとにご紹介します。
ポッドキャストとは、iPodとBroadcastを組み合わせた造語で、無料で聴ける音声コンテンツのことです。配信者はPodcaster(ポッドキャスター)と呼ばれ、配信することをPodcasting(ポッドキャスティング)というのが一般的です。
iOS標準搭載のApple Podcastsのほか、Google Podcasts、Spotify、himalayaなど視聴可能なプラットフォームは多岐に渡ります。iTunesを介してPCにダウンロードするなどデバイスも選ばないのが嬉しいところ。
ラジオやライブストリーミング配信とは異なり、YouTubeの動画のように、プラットフォーム上にアップされているコンテンツならいつでも視聴が可能です。
米国や中国を中心に人気を博していますが、近年、スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンをはじめとする高性能音声デバイスの普及も力強い後押しとなり、世界中で市場が急速に拡大しています。
ここからは、ポッドキャストで配信を始める際に必要な10個のステップをご紹介します。
まずは番組を始める前に、なぜポッドキャストを始めたいのか、どんな層の誰に向けて配信するかを考えましょう。
目的とターゲットは、今後の番組作成の軸になります。
また、番組がポッドキャストリスナーにどんな価値を提供できるのか、リスナーが聴く「理由」は何か考えることで、番組が配信者の独りよがりになることを防ぎます。
番組を作る前に長期的な視点を持ってプランニングすることは、一貫したテーマのコンテンツを継続的に配信するためにとても重要です。
テーマが決まったら、番組のネーミングを考えましょう。
音声コンテンツは動画などと違い、開けてみるまで中身の見えないブラックボックスのようなものです。リスナーからすると、実際に番組を聴いてみるまで面白いかどうか分からないのです。だからこそ、番組タイトルが肝心です。
このポイントを守ることで、リスナーに届きやすくなります。
また、配信毎につけるエピソード名についても同じです。唯一番組の中身が覗き見られる番組の紹介文の中では、特に未開拓のリスナーの関心をひくワードチョイスや言葉の並べ方が重要です。
次に大切なのが番組のサムネイルです。
サムネイルは音声コンテンツの中で唯一ビジュアルに訴えかけることのできるパーツですので、他番組との差別化のためにも、オリジナルデザインのものを作ることをオススメします。
デザインの知識やスキルがなくても、便利なオンラインサービス(Canvaなど)を利用すれば、簡単に作ることもできます。
2021年3月時点で、サムネイルの最適な仕様は以下の通りです。
番組をリスナーに「聴いてもらえるコンテンツ」にするには、番組の長さも重要です。
音声コンテンツは短いもので15分以下、長いもので1時間以上ありますが、一般的には20分〜45分ほどが妥当と言われています。
ただ、ベストな長さというのは、番組の内容によって変わります。例えば、情報量が少ないのに、1時間のエピソードだと長すぎてリスナーが途中で飽きてしまいますよね。一方で、しっかりと語りたいテーマがある時に10分では短すぎて、駆け足感が出ます。
インタビュー形式などで良いコンテンツが盛りだくさんなどの場合は、いくつかのエピソードにカットして残りは会員限定コンテンツなどにする方法もオススメです。
配信頻度は、週1回の配信が理想的と言われていますが、内容や配信者によってベストな頻度は変わります。
定期的に配信することが重要なので、配信者が無理なく続けられる頻度を守ることが大切です。週1回の配信だと収録や編集が追いつかず、クオリティが保てないのであれば、1ヶ月に1回の配信の方が良いでしょう。
また、収録をまとめて行い、シーズン分けして配信するという方法もオススメです。
コンテンツ内容とエピソードの長さが決まったら、番組のフォーマットを作っていきましょう。
音声コンテンツの一般的なフォーマットは次の3つです。
最近盛り上がりを見せている海外の番組では、ドキュメンタリーやドラマ、ワイドショーなど映像メディアのような形式をとっているものも多くあります。また、咀嚼音や生活音のみを流す「ASMR」もリラックス効果があるとして人気です。
いずれにしても番組の目的に沿ったフォーマットを選ぶことが大切です。
台本は、番組の面白さを左右するベースになります。
この3タイプの中から、配信内容に合ったやり方を見つけるのが一般的です。ただ、トークのプロでない限りは、最初から最後まで「フルスクリプト」は、台本の棒読みになりがちなのでおすすめできません。
一番魅力的な番組作りに繋がるのは、この3つを組み合わせることです。エピソードの構成をざっくりと練った上で、しっかり伝えたい部分は「フルスクリプト」、「配信者の素を見せたいときは「簡易メモ」と使い分けるとバランスがよくなります。
音声コンテンツで最重要パートは、最初の5分です。イントロの部分でリスナーの興味をキャッチできなければすぐに離脱されてしまいます。聞き手の心を掴むキャッチーな冒頭5分を意識しましょう。
音声コンテンツの要の部分が収録です。 オンライン収録をするのか、対面収録にするのかで、やり方や向いている機材が変わってきます。
編集を想定せず、気軽にとにかく始めたいという方に最適なのが、スマホアプリだけで簡単に完結できるオンライン収録です。
特に、Anchor.fm のオンライン収録(Recordingツール)は初心者でも使いやすいと評判です。録音URLを発行して、収録相手と共有すれば、通話と録音が同時にできるためスムーズです。電話をしている感覚で収録可能な上、収録の音声もクリアに聞こえるのがうれしいポイント。
収録の際、
など、スマホに対応したマイクを使用すれば、アプリ収録とは思えない臨場感あるクオリティの音声になります。
対面収録や、オンラインでも更にこだわった音質やBGMを利用して編集したい方には、
などの更にワンランク上のオンライン収録ツールや、より専門的なマイクとミキサーをパソコンに繋げて収録するのがおすすめです。
個人でポッドキャスト配信する上で最も大きなハードルと言えるのが編集です。
ポッドキャスト配信初心者の方には、編集作業をできる限り少なくすることをおすすめします。
番組構成がきちんとしていれば、編集作業に時間を割かなくても、クオリティの高いコンテンツが作成できます。逆に、「あとから編集できるから」とて甘い構成で収録するとと、編集コストが大きくなってしまい、公開までの負担によって番組継続が難しくなることがあります。
編集はシンプルにして、なるべくコンスタントに番組を続けられる仕組みを作りましょう。
ただ、
など、小さな編集を行う場合は、無料のアプリAnchor.fm やAlitu、有料ならOmny Studioなどが便利です。他にも、音量やエコーを掛けたり、ノイズ(雑音)除去など少し複雑な編集をしたい場合のDAW(デジタルオーディオワークステーション)ソフトには次の製品がおすすめです。
イントロやBGMなどの音楽も、音声コンテンツにとっては大切な要素です。
しかし、音楽のみを15秒以上流すのは、リスナーに飽きられる可能性があるためおすすめしません。イントロなど音楽メインとなる部分はなるべく15秒以下におさえましょう。
音楽というのはセンシティブな部分で、みんなが知っている音楽などを勝手に使用してしまうと著作権侵害に当たる可能性もありますので、十分注意しましょう。
初心者の方でも気軽に利用できる音源であれば、Anchor.fm で利用できる無料BGMが一番使いやすいです。
また、有料音源で代表的なものは
などに乗っている音源であれば、著作権の問題を気にせず使用できます。
しかし、無料とはいえクレジットに載せる必要がある場合や、商業利用ができないものなど、ライセンスの種類も様々なので事前に細かくチェックしましょう。
また、こういった無料音源だと多くの配信者に幅広く使われているので独自性はなくなります。もし音楽にこだわりたいのであれば、イントロの部分だけでも、サウンドクリエーターに作成してもらっても良いかもしれませんね。
ビジュアルでのアピールができない音声コンテンツにとってエピソードタイトルはとても大切です。聞いたことがない人でも内容がすぐ分かるシンプルで理解しやすい言葉を選びましょう。
ポッドキャストにはノートというエピソードの概要欄があり、そこに番組の内容を記入することができます。こちらにあらすじを記載する目的は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、エピソードの魅力ポイントを聴く前に知ってもらうこと。
2つ目は、エピソードで取り上げる商品やサービス、出典などのリンクや情報を伝えること。
3つ目は、内容を分かりやすく説明することで視聴のハードルを下げることです。
ノートはエピソードのオーディエンスを増やすために、推敲・編集が必須の項目です。丁寧に作りこみましょう。
音声コンテンツの中で唯一のビジュアルと言えるサムネイルは、番組やエピソードの第一印象を決定づけるものなのでとても重要です。
他との差別化をはかるためにも、余裕があればオリジナルで作成することをおすすめします。
音声を届けるためにはインターネット上に公開する必要がありますが、視聴アプリやWebサイトに直接アップロードすると思う方も多いのではないでしょうか。
実は、ポッドキャスト配信の第一歩は、オーディオファイルをストアできるポッドキャストホスティングプラットフォームにアップするところから始まります。
日本では次のようなホスティングサービスが主流です。
ここにアップロードすればRSSフィードも簡単に取得でき、AppleやSpotify、Googleなど大体のプラットフォームに自動的に登録されます。音源はWAV形式でも対応していますが、容量制限にひっかかる可能性があるためMP3に変換しておくと良いでしょう。
WordPressとの連携機能を持つサービスを利用すれば、プラットフォームからWEBサイトにも配信することができます。たとえば、自分のWEBサイトにストリーミングプレイヤーを置いておき、そこで視聴してもらうということも可能です。
海外で配信する方や海外のリスナーにアプローチしたい方におすすめなのは次のアプリです。
より多くの人に聴いてもらうためには、プロモーションが必要です。
ポッドキャストは他SNSとの相性も良いので、YouTubeやTwitter、Clubhouseやブログなどと併用したり、番組専用ページを用意して認知を高めると良いでしょう。
ストーリー動画などSNSでの拡散する際、音声コンテンツの内容と合った短い動画などを活用し新規リスナーの興味を引き立てることがポイントです。
音声のみだと、リスナーが「これは自分が本当に聴きたい番組なのか」という点に自信が持てず、結果として再生ボタンを押してもらえない可能性があります。視聴までのハードルを下げるために、ビデオコンテンツなどのビジュアルの力を借りることが効果的です。
リスナーの数がある程度になるとポッドキャスト上での収益化も可能です。
ポッドキャスト自体は無料ですが、そこから有料の会員限定コンテンツやダウンロードキットへ誘導したり、「投げ銭」アプリPatreonやクラウドファンディングを通じてのファンからのドネーションなどが期待できます。
また最近では、声のマーケティングがエンゲージメント向上に繋がるということが認知され始めているので、企業がスポンサー広告を展開したり、出演したゲスト(企業)のサービス、商品などを紹介することで広告料を貰うという方法もあります。
海外ではスポンサーが募集できるADVERTISECAST、マネタイズのマッチングサービスTrue Native Mediaなどのプラットフォームもあります。
また、ポッドキャストが他SNSと連携しやすいという特徴を利用して、Tunesto Tubeなどのサービスを利用して広告収益が見込めるYoutubeとリンクさせることも可能です。
良質なコンテンツ作りには時間もお金もかかりますので収益化が可能になれば理想的ですが、リスナーが離れていってしまっては意味がありません。収益化は軽く考え、常に「リスナーファースト」の姿勢を持った番組作りが大切です。
ポッドキャストは、今までコンテンツ配信に躊躇していた人でもスマホ一台で気軽に始められます。新聞社やラジオ局など大手パブリッシャーのオウンドメディアとしてだけでなく、ニッチなトピックを発信したい個人でも参入できて、人気番組になれる可能性があるのがポッドキャストです。
継続的にリスナーを確保するにはある程度のクオリティとコンスタントな配信が求められますが、リスナーを増やした先には、自分のコンテンツを聴いてくれる人との交流や、収益化も期待できます。まずは自分が楽しめることを心がけ、コンテンツ配信を始めてみてはいかがでしょうか。
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マイク選び・編集・台本づくり・集客など、ポッドキャスト作りの悩み・手間や難しさを誰よりも多く経験してきました。そんな私が皆様のご相談をメールやオンラインMTGで丁寧にお受けいたします!