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なぜ今、企業がポッドキャストを始めるべきか。オーディオ戦略の可能性

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今、世界中で利用者が急増しているポッドキャスト。リスナー側だけではなく発信者側からも熱い注目を集めています。海外の大手企業もマーケティングの手段として積極的に利用しているオーディオ戦略は、日本ではまだメジャーではなく、ブルーオーシャンと言われています。なぜ今音声コンテンツに注目するべきなのでしょうか?ポッドキャストを活用した効果的なオーディオ戦略について解説します。

今注目すべき「オーディオ戦略」

今の時代に合ったマーケティング手法として、オーディオ戦略が注目されています。

音声メディア時代の到来

スマートフォンや、Amazon echo、google homeなどのスマートスピーカー、ワイヤレスイヤホンといったサウンド・テックの普及により、日常的に「音を楽しむこと」が世界中で一般化してきました。

実際、ニールセンの調査によれば、アメリカでは音声ストリーミングサービスを1つ以上購入している人が全体の63%、2つ以上購入している人は53%と、人口の半分以上が音声メディアを利用しています。また、6割以上の人が毎週オンライン配信の音声コンテンツを聴いていると答えていることから、日常的に音声コンテンツを楽しんでいることが伺えます。

日本でも音声コンテンツ市場はじわじわと伸びていますが、オーディオ戦略に真剣に力を入れている日本企業はまだまだ少ないのが現状です。

そもそも「オーディオ戦略とは」

今までブログやYouTube、SNSなどのメディア戦略に力を入れてきた企業でも「オーディオ戦略」という言葉に馴染みがない場合も多いのではないでしょうか。

オーディオ戦略とは、企業やブランドのコンテンツマーケティングの手法の一つで、次のような戦略のことです。

  1. 1良質な音声コンテンツをリスナーに届ける
  2. 2リスナーをファン化し、潜在顧客を見込み客に育てる
  3. 3購買に結びつける

具体的な例としては、次のような方法があげられます

  • 業界トピックをテーマにしたポッドキャスト番組を作る
  • ブログへ誘導するためのナレーション音声をブログに合わせ配信する
  • SNSへ誘導するためのティザー広告的役割を持たせる

現在、世界のトップ企業がこの「オーディオ戦略」に可能性を見いだし、音声メディアへの投資を始めています。世界で最も人気のオーディオサービスであるSpotifyがポッドキャストのスタートアップ企業を買収したことからも、音声メディアへの関心の高さがうかがえます。

なぜ今「オーディオ戦略」が効果的なのか

ではなぜ「オーディオ戦略」が効果的なのでしょうか?それは、音声というコンテンツが他の視覚に頼ったメディアとは違い、よりユーザーフレンドリーであるからです。

オーディオ最大の特徴

オーディオの最大の特徴は、耳だけで楽しめることです。映像や読み物などのコンテンツだと、視覚、または視覚と聴覚両方を使用するため、それらを楽しむためにはある程度のまとまった時間、集中してコンテンツと向き合う時間が必要です。

しかし、音声コンテンツの場合は、他の作業をしていても耳だけが空いて入れば十分に楽しめます。また、スマートフォンさえあれば楽しめるため、聞く場所も選びません。音声メディアなら、どのようなライフスタイルのユーザーでも同じように楽しめるというメリットがあります。また、他メディアとの相性も良く、メディアミックスが気軽にできるという点も特徴的です。

オーディオへの需要の高まり

情報過多なパソコンやスマホに比べて、一方、耳だけで楽しめる音声コンテンツは、他のメディアよりもリラックスして利用できます。

そして、AIスピーカー、音声認識ツール、ワイヤレスイヤホンなどサウンド・テクノロジーの発展に乗じて音声ツールがより使いやすくなっていることもあり、人気が高まっています。

音声メディアがブルーオーシャンの今こそにオーディオ戦略を始めることでビジネスチャンスが生まれます。

ポッドキャストができること

ポッドキャストの利用者は年々増え、今や「試験運用フェーズ」に幕を下ろし、マーケティングの領域に突入していると言えるでしょう。「オーディオ戦略」を立てる上でも、外せないキーメディアとして企業・ブランドの音声コンテンツがどうあるべきかの基準となっています。では他メディアにはないポッドキャストの魅力とはなんなのでしょうか?

①インティマシー(親密さ・親近感・人間らしさ)の提供

ポッドキャストの最大の特徴は提供者の「生の声」が聞こえることです。様々な情報が溢れ、誰でも気軽に発信できる現代、消費者は個々の価値観や興味、関心に焦点を当てた、より人間味のあるコミュニケーションを求めています。

ポッドキャストは情報発信者の声を直接耳に入れることができるため、発信者の気持ちやパーソナリティーが伝わりやすいメディアとなっています。

②自由なフォーマットの選択

ポッドキャストはその配信コンテンツのフォーマットについて自由度が高いことも人気の理由です。他メディアに比べて、配信の時間、内容や手段について規制が少ないため、配信者側からすると制作できるコンテンツの可能性が広がります。

また、ポッドキャストは配信者側が一方的に配信するメディアではなく、リスナーとの親密なコミュニケーションが可能です。そのため、リスナーに寄り添ったコンテンツ作りができるというメリットもあります。

③メディアミックスによるオーディエンスとの関係性構築

ポッドキャストは他のSNSとのメディアミックスが比較的簡単に行えるため、InstagramやTwitter、Facebookなどの人気SNS、Youtubeやブログなどの他メディアを同時に利用することができます。

ポッドキャストを軸としたメディアミックスにより、オーディエンスとのエンゲージメントを高められるというのも大きなメリットです。

ポッドキャストは「引き(pull)」のメディア

ポッドキャストは、Youtubeなどの動画コンテンツと違い、アイキャッチな広告で視聴者の注目を集めるということができません。視聴者自ら興味があるものを自分で選び楽しむ、視聴者主導のメディアです。

その分、リスナーとのエンゲージメントは他メディアに比べて強く、リスナーのほとんどが登録した番組については新しいエピソードが配信されたら全て、最後まで聴く傾向にあります。 JAR Audioの製作番組では、平均で95%のリスナーが最後まで聴いていることがわかっています。

また、Netflixなどの連続再生ができるエンタメの需要の高まりと共に、ポッドキャストでも「ビンジ・リスニング(マラソン視聴)」する人が増えてきています。

ポッドキャストでオーディエンスと繋がろう

オーディオ戦略を考えたときに、リスナー・発信者両方の側から人気で、順調にシェアを広げているポッドキャストは外せない音声メディアです。

オーディエンスとのつながりが強い利点を活かして、企業やブランドと消費者との関係性を築くプラットフォームになり得るでしょう。ポッドキャスト上で積極的にオーディオ戦略を実行することでオーディエンスの日常に入り込み、新たな顧客を獲得してみてはいかがでしょうか。

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