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ポッドキャスト配信者へのインタビュー
2020.12.22
世界の音声コンテンツ市場は右肩上がりを続けています。その背景には、AIを搭載したスマートスピーカーやワイヤレスイヤホンの普及、そしてIoTの発展により「ながら聴き」しやすくなったこと。また、新型コロナウイルスの影響でおうち時間が増加した結果、手軽にどこでも利用できる音声コンテンツの強みが評価されていると考えられます。世界中で注目を集める音声コンテンツ・音声メディアの市場動向について、ご紹介しています。
目次
世界の音声コンテンツ市場は右肩上がりを続けています。その背景には、AIを搭載したスマートスピーカーやワイヤレスイヤホンの普及、そしてIoTの発展により「ながら聴き」しやすくなったこと。また、新型コロナウイルスの影響でおうち時間が増加した結果、手軽にどこでも利用できる音声コンテンツの強みが評価されていると考えられます。
音声コンテンツ市場の中でもポピュラーなオーディオブック市場は、新型コロナウイルス感染拡大による需要の高まりもあり、40億ドル規模の市場に達すると推計されています。現在は米国と中国の売り上げが特に伸びていますが、他の地域もこれからの伸びが予想され、市場全体の拡大が期待されます。
Appleの「Podcast」や「Google Podcasts」をはじめ、様々なプラットフォームで音声コンテンツを楽しむことができるポッドキャスト。その市場は現在10億ドル規模ですが2025年までには3倍近く成長すると期待されています。
ニュースとも相性が良く、大手新聞紙のThe New York TimesやThe Guardianによる音声記事の配信は多忙な現代人に特に人気です。新聞紙の売上が落ち込む中、サブスクリプション契約や有料会員の獲得は、収益増に貢献しています。
また、企業による番組も増えつつあります。Fortune 500(フォーチュン誌が選ぶ収益上位500社)の上位25社のうち、17社(68%)が自社のWebサイトでポッドキャストを配信しています。
Spotify(スポティファイがアメリカの大手ポッドキャスト制作会社2社(Gimlet MediaとAnchor)を買収したことも注目です。SpotifyのCEOは、「ポッドキャストに注力することで、将来的にSpotifyの20%程度は音楽以外のコンテンツとなるだろう」と語っています。この流れも世界的な音声コンテンツ市場拡大を後押しする可能性があります。
新たなビジネスも続々と展開されています。ポッドキャストのサブスクリプションサービスを展開する「Luminary(ルミナリー)」は、「ポッドキャストのNetflixになる」を掲げ、1億ドルの資金調達を行ったと報道されました。また、中国で4億人以上が利用する音声プラットフォームの最大手Ximalaya(シマラヤ)が日米に進出し「Himalaya(ヒマヤラ)」を展開するなど、話題に事欠きません。
現在、動画・写真・テキストコンテンツはとても充実しています。しかし視覚情報に重きを置いたコンテンツは、時に以下のような難しさもあります。
視聴者にとって
発信者・配信者にとって
つまり、「忙しくてもリラックスして楽しみたい」視聴者や、「熱を失わずに想いを届けたい」発信者・配信者に、音声コンテンツの新鮮さとシンプルな使いやすさが評価されているという訳です。
音声コンテンツは耳から得る情報に限られるため、動画・テキストと比べると情報量で劣るのではという考えもあるかもしれません。しかし、音声には独自の強みがあります。
視聴者は「カジュアルに省エネ」で楽しめて、発信者・配信者にとっても「制作コストが低いため始めやすく続けやすい」。両者が気軽に楽しむことができるのが音声コンテンツの魅力と言えるでしょう。
海外では爆発的に人気の音声コンテンツですが、一方で国内はどうでしょうか。総務省の『令和元年版情報通信白書』によると、2017年時点における国内の音声コンテンツ市場規模は7500億円ほどで、その内ネット発コンテンツは約1%しかないとされています。
例として現在国内で展開されている音声コンテンツ関連のサービスを紹介します。
ラジオと聞くと古いメディアのイメージがあるかもしれませんが、今その価値が大きく見直されています。国内ネットラジオ最大手「radiko(ラジコ)」の月間ユーザー数は、コロナ禍における外出自粛の呼びかけが始まった2020年3月を境に急激に増加し、現在1000万人に迫る勢いです。「radiko」側もそれに合わせてコンテンツを増やしていて、2020年には民放ラジオ局を全てカバーし、更に勢いを増しています。
音声コンテンツの中でも人気が高いのがオーディオブックのサービスです。本の内容をナレーターが読み上げてくれるサービスで、じっくり腰を据えて本を読む時間が取れない、という忙しい人でも本のインプットを可能にしてくれます。
Amazonが運営する「Audible(オーディブル)」は、豊富なラインナップが魅力。洋書は40万冊以上、日本語の書籍も1万冊を超えています。「audiobook.jp(オーディオブック)」はサブスクリプションサービスがあり、たくさん聴きたい人に愛用されています。
様々な分野の専門家や、プロフェッショナル、音楽家や著名人など、人気と実力のあるパーソナリティによるコンテンツを聴くことができる音声メディア「Voicy(ボイシー)」も、人気が拡大しています。著名人のチャンネルが多いことから、リスナーはそのファン層や20~30代の若者が中心です。
また、「Voicy」では、今後はあらゆるサービスが音声で操作をするVUI(ボイス・ユーザー・インターフェイス)と繋がるというビジョンを持っており、様々なデバイス・IoT機器に音声を配信する音声インフラ事業の開発事業も行なっています。
他にも、「Radiotalk」「Spoon」「Stand.FM」、大手YouTuber事務所が開発した「Rec.」など、多数のサービスが広がりを見せています。収録・編集が簡単に行えるアプリもあり、初心者の参入がさらに増えそうです。
特定のサービス内ではなく、様々な媒体で配信できるのがポッドキャストです。iPhoneの「Podcast」やAndroidの「Google Podcasts」だけでなく、「Spotify」「Castbox」「Stitcher」といったプラットフォームのほか、オウンドメディアでの配信など選択肢は無数にあります。
最近では、ラジオをポッドキャストのアプリを通して視聴ができるサービスも開始されています。「ラジオクラウド」は、TBSラジオの一部をポッドキャストプレーヤーで聴取できるサービスです。好きな時にサービスを利用してもらい、新たな聴取者を取り込むことを目的としています。
このように、既存のメディアと相性良く共存できるのが音声メディアの利点です。
市場拡大の鍵を握る存在として、音声広告(オーディオアド)があります。2019年時点で国内のデジタル音声広告市場規模は7億円ですが、2020年には前年比220%超で成長し、その後2025年には420億円に達するとのレポートが出ています。
ベンチャー企業のオトナルは、「Spotify」「radiko」「朝日新聞アルキキ」で広告出稿から効果測定まで行うサービスを開始しました。ターゲットをしぼりやすくスキップされにくいという強みを持つ音声広告ですが、その効果が実証されればより多くの企業が注目するでしょう。
音声コンテンツはマネタイズが課題とされてきましたが、近年選択肢は増えています。いわゆる投げ銭が可能なアプリの利用や、クラウドファンディングサービスを通じた寄付、「note(ノート)」のような他メディアとの併用など、ただ課金するだけではない「支援」という形でのマネタイズが多いのが特徴です。
また、マーケティングやブランドエンゲージメントに対する効果への期待が高まる一方で、何から始めるべきかわからないという不安の声もあります。制作やマーケティングをサポートするサービス(例:PROPO.FM)の存在も、参入者のハードルを下げることが期待されます。
現状日本では動画コンテンツが一番ポピュラーです。しかし、新型コロナウイルスの影響で動画が作りづらくなり、また、ライフスタイルに合わず疲れてしまう人が出てくるなど、動画コンテンツの難しさや限界も見えてきました。そこで、
これら音声コンテンツの特徴が、ユーザーにとっては「消化しやすくカジュアルに利用できる」ので大きなメリットとして捉え直されています。
現在では従来の音声コンテンツであるラジオや著名人の配信、一般個人の配信の増加傾向が見られますが、今後は消費者とダイレクトにコミュニケーションを図るためのプラットフォームとして、企業組織の発信が注目を集めています。
2019年にはニッポン放送が企画、Spotifyが協賛する「JAPAN PODCAST AWARDS」も立ち上がりました。新たなリスナー、クリエイター、そして企業の参入を後押しし、業界を盛り上げることが期待されます。
令和は音声コンテンツ元年になり得るのか? 音声業界の動きに要注目です。
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