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近年、ポッドキャストが人気の情報発信手段となっています。特にBtoB企業においても、その手軽さと自然な演出が魅力的なポッドキャストは有効な選択肢となっています。本記事では、企業の発信をポッドキャストで行うメリットと、コンテンツアセットとして中長期的に活用していく方法を解説します。
企業発信をポッドキャストから始める選択肢の提案
比較的手軽で継続しやすい
ポッドキャストは、数あるコンテンツの中でも比較的手軽で継続しやすいというメリットがあります。
例えば、ポッドキャストは動画と異なり、出演者の身だしなみや背景などに気を遣う必要がありません。制作プロセスも慣れればシンプルなため、比較的負担が少ないとされています。また、録音機材や編集ソフトウェアも手軽に揃えられるため、初期投資もおさえることが可能です。
このように、配信者の負担が少ないメディアであることから、企業の情報発信手段として導入しやすいと考えられています。
「らしさ」が伝わる自然な演出
ポッドキャストは、リラックスした雰囲気で情報発信ができるため、企業の「らしさ」が伝わりやすいメディアです。長尺のコンテンツを聞きながら、リスナーがじっくりと企業のカルチャーや価値観に触れることで、広告などでは得られない高いエンゲージメント効果が期待できます。
制作コンテンツも制作プロセスもアセット化しやすい
ポッドキャストは、制作したコンテンツをアーカイブ化し、後から聴くことができるため、アセット化が容易です。また、制作のプロセスやノウハウも企業内で共有しやすいため、発信の継続はもちろん、別ブランドへの横展開などにおいても有効です。
ポッドキャストで認知経路を確立するための3つのステップ
ステップ1:発信プロセスの整備
まず初めに、コンテンツを制作して発信するためのプロセスを整備しましょう。
コンテンツ企画
番組企画を考える際は、以下の点に注意してプロセス化しましょう。
- ターゲットリスナーの設定: できるだけ具体的に設定することで、番組の目的を絞りやすくなります。
- テーマ選定: ターゲットリスナーのニーズや関心事に基づいて選定します。(例:業界のトレンドや専門知識を活かした情報提供など)
- エピソード構成: テーマに沿って、リスナーが継続して聞きたくなるような具体的なエピソードの構成を決めます。
ポッドキャスト制作・発信
ポッドキャストを負担なく継続発信するためには、プロセスを効率化することが重要です。以下の点に気をつけながら整備しましょう。
- 収録から配信までに必要なプロセスの洗い出し
- 継続に無理のないスケジュール設定
- タイトル・ディスクリプションなど、音声以外の領域の制作方法
- アウトソースする範囲
ステップ2:発信媒体の多角化
さらなるリーチとエンゲージメントを得るために、発信媒体の多角化を検討しましょう。以下のような媒体を活用すると、より幅広いターゲット層へのアプローチが期待できます。
テキスト
ポッドキャストの内容をテキストに転化し、ブログ記事やニュースレターとして配信することができます。音声を文字起こししたり、エピソードで取り上げたテーマをさらに深掘りしたりすることで、活字を好むターゲット層にも情報が届きます。
動画
ポッドキャストの音声だけでなく、動画プラットフォームも活用することでより幅広い視聴者層にリーチすることができます。ポッドキャスト音声をそのまま配信したり、収録風景を録画して動画化するケースもあります。また、エピソードのハイライトシーンを切り出してショート動画を作成し、TwitterやInstagramなどへ投稿する方法もあります。
ウェビナー
ポッドキャストの内容をベースに、ウェビナー(オンラインセミナー)を開催することで、リアルタイムのコミュニケーションが可能になります。参加者との質問や議論を通じて、深い理解や信頼を築くことができます。
セミナー
対面のセミナーやワークショップを開催することで、直接的なコミュニケーションが可能になります。ポッドキャストの内容を拡張し、より詳細な情報や実践的なスキルを伝えることで、ターゲット層との強固な関係を構築できます。
ステップ3:発信チャネルの多角化
ポッドキャストを「配信しっぱなし」で終わらせないためには、流入経路=発信チャネルも多角化していくことが重要です。さまざまなチャネルからターゲットリスナー層とのタッチポイントが築けるように、導線を設計しましょう。
ニュースレター
メールマガジンやニュースレターを活用し、登録者に定期的にポッドキャストの更新情報や関連コンテンツを配信します。これにより、リスナーとの継続的な関係を維持し、リピートリスナーを増やすことができます。
YouTube
世界第2位の検索エンジンでもあるYouTubeに音声や収録風景の動画をアップロードすれば、普段ポッドキャストを利用していない層にも見つけてもらえる可能性が高まります。特に2023年のアップデートでポッドキャスト機能を追加しているため、YouTubeとポッドキャストのシナジー効果はさらに高まることが期待されます。
ラジオ出稿
地域のラジオ局やインターネットラジオにポッドキャストのコンテンツを出稿することで、リーチを拡大し、新たなリスナー層にアプローチできます。これにより、ブランド認知度の向上やリスナー獲得が期待できます。
SEO
ポッドキャストの公式ウェブサイトや関連ブログ記事にSEO対策を施すことで、検索エンジンからの流入を促進します。ポッドキャストをただ配信するだけでは見つけてもらいにくい場合でも、テキストコンテンツを活用することで検索エンジン経由での流入が期待できます。キーワード戦略やサイトの最適化を行い、検索結果の上位表示を目指しましょう。
広告出稿
ソーシャルメディア広告やGoogle Adsを活用して、ポッドキャストのプロモーションを行います。ターゲット層に合わせた広告設定を行い、効果的なリスナー獲得を目指しましょう。
他メディア
業界誌や専門メディア、SNSなどの他メディアとのコラボレーションを通じて、ポッドキャストの露出を高めます。インタビューや共同企画などを実施し、相互のフォロワーや読者をポッドキャストのリスナーに取り込みましょう。
他社の事例紹介
制作・発信から媒体・チャネルの多角化の整備に成功した事例をご紹介します。
McKinsey(マッキンゼー社)
グローバルコンサルティング会社McKinsey社が提供する「McKinsey Podcasts」では、業界の最新トレンドについてのインサイトを届けるエピソードを配信しています。
配信したエピソードはテキスト化し、活字コンテンツとして転用。記事ページには音声プレーヤーを埋め込み、音声・活字両媒体を同時活用しています。
また記事ページでは、Email登録をCTAとして、ニュースレターによるナーチャリングにも活用しています。
参考:https://www.mckinsey.com/featured-insights/mckinsey-podcast
ポッドキャストを活用した組織発信の成功への道のり
ポッドキャストは他メディアに比べ継続しやすく、またリスナーのエンゲージメントも獲得しやすいことから、企業の情報発信手段として向いていると言えます。
しかし、目的達成のためには戦略設計が重要です。
効率的に運営を継続できる制作体制の構築はもちろん、ターゲットリスナー層に届けるための媒体選び、リーチしたリスナーが流入するためのチャネルやCTAの設計など、全体の流れを整備しておきましょう。
もし広告やキャンペーンなどの単発・短期的な施策に頭打ち感をおぼえている場合は、アセットとして中長期的に活用できるポッドキャストの導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
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